社長の独言

社長独言(愛宕山)

お盆休みの8月12日は愛宕山に一人で登る。通勤電車から毎
日眺める山でいつか登ってやろうと考えていた。

阪急嵐山からバスで清滝まで行く。バスが走り出してすぐに乗
り合わせた大学生らしき二人組が冷麺と思われるものを食べだ
した。車内には酢の臭いが充満。ビールを飲みながら大声で喋
り楽しそうだった。

清滝バス停に着くとまず清滝川に架かる橋まで下る。
橋を渡るとすぐに登山道の案内があった。右の道を登ると頂上
まで距離7000m、左の道が4000mとある。迷わず左の
道に向かう。時間は14時20分。体力に自信がないから休み
休みで登り3時間、下り1時間30分と予測する。すこし暗く
なるだろうが19時前頃までには帰れるだろう。 

登り始めたらすぐに小学3~4年生とおぼしき男の子とすれ違
い「こんにちは」と挨拶される。そのあとすぐにすれ違う人が
いなかったのでもしかして一人だったのか?などと驚きながら
急な坂道にさっそく息が上がりだした。ややあって次々と下り
てくる人達と息絶え絶えの挨拶を交わしながら進む。
もう下りようかという考えが頭をよぎる。

登りはじめの道脇に1/40の立札がある。距離4000mだから
100m刻みにあるのかと思いつつ最初は平地の100m意識
だから何でもないと思ったがこいつが曲者だった。
きつい坂についついこの立札がさっさとカウントアップするの
を期待する。
20/40の立札ではまだ半分。帰りたくなった。我慢してもう少し
と進んでいると今までと比べ坂が緩やかな気がしてきた。今ま
でより前に進んでいる感じがする。30/40が過ぎたころからペー
スが早くなった気がする。そして40/40の立札に到達。
そこから愛宕神社本殿まではまだ少し距離があった。
16時50分、本殿に着く。
所要時間約2時間30分思ったより早く着く。
お参りし10分ほど休み早々に下る。

電車から見て想像していた通り愛宕山の頂上付近には大きな杉
の木が文字通り林立してパノラマの眺望ではなかった。
しかし、天気も良かったせいでやや広い樹間から京都御所の森
がはっきり見られた。

来た道を帰る。膝ががくがく震えている。足が上がらず(下る
ときも足が上がらなければ躓く)石段にかかとを引っかけ軽く
足首をひねったり、しりもちをつきながら下る。

やっと清滝川の橋まで下りる。ここからバス乗り場まで上り坂。
上がらない足を引きずりながら18時20分頃着。下り所要時
間約1時間30分位か。登りも下りも意外に早かった。

バス停では大学生らしき集団がベンチ付近で騒いでいたので少
し離れた商品の出ない自販機の前にへたり込んでバスを待つ。
大学生らしき集団は帰りにバスが通過するすぐそこに見えるト
ンネルに幽霊が出ると話をしていた。
18時55分発の彼らと同じバスに乗ると「ビデオをまわせ」
だの「写真をとれ」だの「見えた」だのと大騒ぎしていた。

夕闇の迫る中、嵐山のよく晴れた空に三日月がきれいだった。


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